愛蔵書を寄贈するか、売却するか、知人に無償譲渡するか、自分で売るか、悩まれている人も多いと思います。
その点について当店の考えを少し述べてみようと思います。
1 寄贈について
蔵書を整理しなければいけない時、寄贈すると言う選択肢が頭に浮かぶと思います。
「本は人類の英知の結晶、お金に換金するのはなんだかなぁ? 」
「大した金額にもなりそうもないなら、いっそのこと引き取ってくれる先は無いかな?」
「知らない誰かであっても、自分の大切な本をたくさんの人に読んでもらいたい」
「研究室の本を大学に寄贈したい」
様々な理由で寄贈を考えられると思います。
現状をお話しいたしますと、図書館での寄贈は断られていることが多いようです。
大学の研究室や、各種研究上は、大学や、施設への寄贈は引き受けられることが多いと思います。
2 知人に無償で譲渡
古本買取を行っている者しては失格かもしれませんが、私自身はこれが1番良いのではないかと思っています。
ただ気をつけなければいけないこともございます。
本を贈ると言う行為は、その方の思いや思想なども押し付けることになる可能性もあります。
あくまで「こんな本あるけど読んでみる?」と相手に読書欲を促す程度に留めておくのがいいと思います。
思想の押し売りにならないように気をつけなければいけません。本一冊で思想や人生を一変させることもあるのですから。
3 自分で売る
メルカリやヤフオクで自分で売ると言う方法があります。手間や時間がかかりますが、1番高く売れると思います。
古書店でしか販売できない手法、販売網も確かに存在いたしますが、雑多な多くの本は私たち古書店も小売業なので、皆さんがご自身で売る方法と大きくは変わりません。
本の販売を一括で行い、効率よく販売することで利益を上げているだけです。
要は、目利きと言う技術で効率よく書籍を見つけ選別し、一括して数百、数千の手間ひまを請け負う職業なわけです。
4 古書店に売却
まずはメリットから。
古書店は売却時に依頼者の好みや思想などを詮索は致しません。知人への譲渡とは違い、売却にあたっては金銭の授受も発生いたしますので後腐れもありません。労力も手間もかからず、数千円単位の量も問題なく依頼できます。
次にデメリット。
再販売が見込めない書籍の対応は行ってもらえません。手間だけがかかり売り上げが上がらない本はほとんど評価してもらえません。自分で売るよりは手取りが安くなってしまいます。
これらを考慮して、然るべき方法で蔵書を整理されるのが良いと思います。
ただ、資源として出される前にはご一報を。
本の価値が無くなってしまう前に!